年齢を重ねるにつれて「まぶたが重くなってきた」「まぶたが下がってきた」と感じる方は多くいます。眼瞼下垂(上まぶたが下がる状態)は、視界が狭まるだけでなく、様々な不調を引き起こすことがあります。
視界が狭くなって疲れやすくなったり、好きだった読書がつらく感じるようになったり、テレビを見るときにまぶたを持ち上げないと見えにくい――このような状態が続く場合、眼瞼下垂が関係していることがあります。
目を開けるときに眉を上げてしまったり、おでこ(額)に深いシワが刻まれたり、正面を見るために無意識に顎を上げてしまうといった症状も、眼瞼下垂が原因で起こることがあります。
視界が狭くなる・上まぶたが瞳孔にかかって見にくくなる
眼瞼下垂になると、上まぶたが垂れ下がって黒目(瞳孔)にかぶさり、視界が狭くなってしまいます。そのため、階段の上り下りで足元が見えにくくなって不安を感じたり、本やスマホの文字が見づらくなることがあります。また、運転中や人と会話をしている際に、無意識に視線を上げるようになります。
日常生活の中でまぶたを無理に開けようとする動きが習慣になり、目の周囲に疲れや違和感が生じることも少なくありません。
おでこ(額)や眉間のシワが深くなる
眼瞼下垂はまぶたが開けにくくなるため、無意識のうちにおでこや眉の筋肉(皺眉筋や前頭筋)を使って、まぶたを引き上げようとします。常におでこや眉間に力が入った状態が続くと、気づかないうちに深いシワが刻まれてしまうのです。
おでこや眉間のシワは、見た目に影響を与えやすく、「老けた印象」や「疲れた顔」をつくってしまう原因になります。
ひどい肩こり・首のこりになる
眼瞼下垂で目が開けにくくなると、まぶたを持ち上げようと無意識におでこ(前頭筋)の筋肉を過剰に使うようになります。視野が狭くなることで物が見えづらくなり、アゴを前に突き出したり、頭を後ろに傾けて見たりするようになります。そのため、首の後ろから肩、背中にかけての僧帽筋などの筋肉が過剰に緊張し続けるようになり、筋肉のこりや疲れがたまって、慢性的な肩こりや首のこりを引き起こすことがあります。>
頭痛・片頭痛が治らない
眼瞼下垂に伴う頭痛は、筋肉の緊張に起因するタイプです。おでこ(前頭筋)や首から肩、後頭部、頭頂部、こめかみ付近にかけて筋肉痛のような重だるさや痛みを感じるのが特徴です。この頭痛は日中に筋肉の疲労が蓄積することで夕方にかけて痛みや重だるさが強くなる傾向があります。また、就寝中におでこや眉、首に力が入り続けている人の場合には、朝起きた時から頭痛を感じる人もいます。
まぶたが重くなる、目の奥が痛くなる
眼瞼下垂の影響でまぶたが開きにくくなると、目をしっかり開けようとして眼瞼挙筋に持続的に力が入ります。まぶたを開けるために、おでこや眉間、眼の周りの筋肉の緊張状態が続くことで、「眼が疲れる」「視界がぼやける」「目の奥がズーンと重い」「すぐにでも目を閉じたくなる」など、目の奥が痛くなったり、まぶた自体が鉛のように重たく感じられるようになります。
めまい、吐き気、嘔吐、耳鳴りなどの不調がある
眼瞼下垂によって視野が狭くなると、よく見ようとして無意識のうちにアゴを上げたり、おでこの筋肉(前頭筋)を使ってまぶたを持ち上げようとするようになります。無理な姿勢や筋肉の使いすぎは、神経にも負担をかけるようになります。
症状が進行すると、自律神経のバランスが乱れ、めまいや吐き気、耳鳴りといった全身の不調が現れることもあります。
歯ぎしり・食いしばり
眼瞼下垂は、無意識にまぶたを持ち上げようとするため、おでこや眉の筋肉(前頭筋や皺眉筋)、首の筋肉まで緊張しやすくなります。筋肉の緊張は、あご周りの咬筋や側頭筋にも余計な負担をかけるようになります。就寝中や日中に、歯を強くこすり合わせる「歯ぎしり(ブラキシズム)」や、強く噛みしめる「食いしばり」といった癖が起こりやすくなります。顎関節やあごの筋肉に大きな負担をかけ、アゴのだるさや痛み、頭痛の原因になることもあります。また、歯が擦り減ったり、割れたりしてインプラントなどの高額な治療が必要になる事もあります。
眠れない、不眠症、睡眠障害になる
眼瞼下垂があると、就寝中でもまぶたやその周囲の筋肉が完全にリラックスしづらくなります。日中にまぶたを開けようとして無意識に続けていた緊張状態が、夜になっても抜けずに残ってしまうためです。「眼は閉じるけれども眠気がこない」「「布団に入ってもなかなか寝付けない」など、寝つきが悪くなったり、「ぐっすり眠った気がしない」「朝起きても疲れが取れない」など眠りが浅くなったりと、睡眠の質に影響を及ぼすようになります。
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