眼瞼下垂とボトックス

眼瞼下垂は、瞼の筋肉が緩むため、上手くまぶたを引き上げることができなくなり、目が開きにくくなります。
そのため眼瞼下垂の症状が出ると、目を見開く時に無意識に眉毛を上げるなど、おでこ(額)の筋肉を大きく動かしたり、眉間やおでこに力をいれるためシワができやすくなります。また加齢に伴って、表情筋の戻る力が弱くなるため、おでこ(額)のシワや眉間のシワが深くなっていきます。

おでこのシワ、眉間のしわ

おでこのシワを気にしている方で「ボトックスをおでこに注射してから瞼が開けにくくなった」という場合があります。軽度の眼瞼下垂症であれば、おでこのシワに眉毛が下がらない程度にボトックス注射を打てば改善されます。
「隠れ眼瞼下垂」とは

  • 日常生活で額にいつもシワが寄っているわけではない
  • 瞼を大きく開けるときは額の筋肉を使いがち
という、眼瞼下垂症の症状の自覚がない方も多くいます。

隠れ眼瞼下垂の場合、額にボトックス注射を打つと、無意識におでこ(額)に力を入れたり、眉毛を上げることで目を開けていた筋肉が動かなくなるため、「瞼が開きにくくなった」「額が重く感じるようになった」「視野が狭くなった」と感じるようになってから、瞼のたるみや眼瞼下垂に気づく方がいます。
おでこ(額)にボトックスを注射する前に、眼瞼下垂の症状があるのかをきちんと調べる必要があります。

「眼瞼下垂とは、挙筋の働きが低下して目が開きにくくなる状態を指します。先天的な場合もありますが、多くは加齢や外傷などが原因で起こります。まぶたが十分に開かないことで視野が狭くなり、日常生活に不便を感じるほか、目を開けようと額の筋肉を使うため、おでこや眉間に深いシワができたり、肩こりや頭痛などの症状を引き起こすことがよくあります。

眼瞼下垂症の方は、おでこ(額)のシワにボトックスを注射した後に、瞼のたるみや目が開きづらくなり眼瞼下垂を発症/増悪させてしまった場合、ボトックスは3か月~6か月ほどで効果が切れるので、効果が切れるまで「待つ」、またはボトックスの効果が効いている期間中に眼瞼下垂症の診断を受けることをお勧めします。

ボトックス注射によるおでこのシワの治療は、眼瞼下垂症を改善してから、治療することをお勧めいたします。また、眼瞼下垂の手術をしたくない場合は、ヒアルロン酸注入、またはスーパーコラーゲン注射などで改善することも可能です。ただし、眼瞼下垂症などの原因で症状が出ているおでこのシワは、根本原因を取り除かないとなかなか改善が難しい場合があります。
当院では、眼瞼下垂の症状をしっかり診察をしてから最適な治療方法をご提案いたします。

「ボトックス注射とは、ボツリヌス菌が作り出すA型ボツリヌス毒素という天然由来のタンパク質を有効成分とした治療法です。このボツリヌス毒素には、筋肉の動きを司る神経伝達物質「アセチルコリン」の放出を抑える作用があり、少量を特定の筋肉に注入することで、緊張を和らげて筋肉の収縮を一時的に止める働きをします。表情ジワの改善、エラの張りやふくらはぎの張り、多汗症の改善などに効果を発揮します。
効果は通常3〜4ヶ月持続し、時間の経過とともに徐々に元に戻ります。

おでこや眉間のシワに対する治療を行った際に、「瞼が下がってしまった」「目が開きにくい」と感じる人がいます。

ボトックス注射は、注入量の見極めが非常に難しい施術です。ボトックスの量が多すぎたり、効きやすい体質の人だったりすると、筋肉の働きが過度に抑えられ、まぶたが開きにくくなることがあります。

まぶたにたるみがあると、ボトックス注射を受けた際に、そのたるみが下がってまぶたにかぶさり、目が開けづらくなったように感じることがあります。普段は無意識のうちにおでこの筋肉(前頭筋)を使ってまぶたを持ち上げている人が、ボトックスの作用でこの筋肉の働きが抑えられると、うまく引き上げられなくなり、「ボトックスを打ったら目が開かなくなった」と感じることがあります。

Q 眼瞼下垂のボトックス治療は保険適用ですか?
A 当院では眼瞼下垂の方におでこへのボトックス治療は行っておりません。
眼瞼下垂症の手術に保険が適用される条件は
  • 眼瞼下垂症と診断されていること
  • 手術の目的が美容目的ではなく、あくまでも治療が必要とされる病気や怪我の治療であること
  • その治療法が、国が認めた治療法、または厚生労働省が認めた医薬品であること
があります。
保険適用できる治療法(挙筋前転法)に規定があるため、ボトックス治療や美容目的の手術方法では保険が適用できません。
Q ボトックスで眼瞼下垂を予防できますか?
A 当院では眼瞼下垂を予防する有効な方法は思い当たりません。またボトックスで予防できる方法も医学的に確認できていません。
ただし、眼瞼下垂の症状がある方がおでこにボトックス注射を打つと、瞼のたるみや目が開きづらくなり眼瞼下垂を発症/増悪させる場合があります。おでこにボトックスを打って初めて気が付く「隠れ眼瞼下垂」の場合があります。
Q 額(おでこ)のシワにボトックスを打つと眼瞼下垂症になりますか?
A 眼瞼下垂は加齢など様々な原因で、まぶたが開きにくくなる症状です。ボトックス注射が原因で眼瞼下垂になるのではなく、ボトックス注射を打つことで、隠れていた眼瞼下垂の症状が出るようになります。
額のシワを改善するためにボトックスを使用すると、まぶたを開けるために使っていた額の筋肉が動かなくなるため、まぶたが下がり、目が開きづらい等、眼瞼下垂の症状が出たり、悪化の要因になる可能性があります。
Q ボトックスで瞼が下がってしまった場合は元に戻せますか?
A ボトックス注射で瞼が下がってしまった場合は、直ぐに元に戻すことは難しいです。効果の個人差がありますが、ボトックスは徐々に効果が消えていくので、3~6ヶ月程度で効果がなくなると瞼の状態も元に戻ります。
Q ボトックス注射で眼瞼下垂になりますか?
A 眼瞼下垂は加齢など様々な原因で、まぶたが開きにくくなります。ボトックス注射が原因で眼瞼下垂になるのではなく、ボトックス注射を打つことで、隠れていた眼瞼下垂の症状が出る場合もあります。
また、おでこへのボトックスの注入量が多過ぎたり、眉の近くなど適切でない箇所に注入したり、ボトックスが効きやすい体質だったりすると、筋肉の動きが必要以上に抑制されてしまうため、まぶたが開きにくくなる場合があります。
Q ボトックスで目の開きが良くなることはありますか?
A ボトックスは筋肉の動きを緩める薬剤ですが、目の下や目頭、こめかみなどに注射することで、筋肉の緊張を和らげ、目を大きく見せられることがあります。ただし、注入ポイントや注入量を誤ると、「まぶたが重くなる」「眼瞼下垂に気が付く」ことがあります。ボトックス注射を打つ前に、眼瞼下垂の症状がないかチェックすることをお勧めします。
Q おでこのボトックスでまぶたが下がる原因は何ですか?
A おでこへのボトックス注射によってまぶたが開けにくくなったら眼瞼下垂を疑ってみましょう。
ボトックスの量が多すぎたり、ボトックスが効きやすい体質だったりすると、必要以上に筋肉の動きが強く抑制されてしまい、まぶたを開けにくくなってしまうことがあります。
また、元々たるんだまぶたを、おでこの筋肉(前頭筋)で無意識に引き上げていた人は、ボトックスでその筋肉の動きが抑制されると、眉やおでこに力が入らないため、まぶたが上がらず、たるんだまぶたが視界にかぶさってきます。
もしも眼瞼下垂でなければ、おでこにボトックスを打っても眼が開けにくくなることは有りません。
眼瞼下垂が隠れている場合は、ボトックス注射を打つと筋力が弱まるため、瞼が下がったように感じます。

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