眼瞼下垂の症状があって、「二重埋没法をすれば治るのでは?」と調べている方は多くいます。眼瞼下垂と二重手術は、どちらもまぶたを「手術」するために混同されがちですが、目的も方法もまったく違います。前者は、まぶたを引き上げる筋肉や腱膜のゆるみ・不具合を治し、瞼の開きや視野を回復させるための機能改善を目的とした治療です。後者は、二重のラインを形成して目元の印象やバランスを整えることを主な目的とする美容的な施術です。

眼瞼下垂とは
眼瞼下垂とは、上まぶたを持ち上げる「上眼瞼挙筋(まぶたを挙げる筋肉)」やその周辺組織が弱くなったり伸びてしまったりすることで、まぶたが下がってしまう状態をいいます。
目を開く力が弱くなり、黒目の上にまぶたがかかって視野を狭く感じたり、「目が開けづらい」「眠たそうな印象に見える」といった症状がある場合、眼瞼下垂が原因のことがあります。自然には治らないため、まぶたの機能を改善するには眼瞼下垂の手術が必要になるケースがほとんどです。
眼瞼下垂のよくある症状
- 上まぶたが下がり、黒目が十分に見えない
- 目が開きにくく、無意識に眉を持ち上げてしまう
- 額にシワが寄りやすい
- 夕方になるとまぶたが重く感じる
- 眠そう、疲れているように見えると言われる
- 視野が狭く感じる、とくに上方が見づらい
- 肩こりや首のこり、頭痛が起こりやすい
- 左右の目の大きさが違って見える
二重まぶた埋没法とは
二重というのは、まぶたを開くときに二重のラインで皮膚が折れ曲がり、折れ曲がった部分の上に皮膚が被さることによってできます。二重埋没法はまぶたを切らずに糸で留めて二重のラインを作る美容施術です。まぶたが一重や奥二重の状態の際に、希望する幅や形の二重に整えます。
二重埋没法はこんな人におすすめ
- 一重まぶたを自然な二重にしたいと考えている
- アイプチやアイテープを毎日使う手間をなくしたい
- 切開せずに二重にしたい
- ダウンタイムをできるだけ短く抑えたい
- まずは気軽に二重整形を試してみたい
- 将来的に元に戻せる可能性を残しておきたい
- まぶたの厚みが比較的少なく、埋没法が適していると言われた
- 費用を抑えながら二重にしたい
- 目元の印象をやわらかく整えたい
- 就職や進学などのタイミングでイメージチェンジを考えている
眼瞼下垂と二重埋没法の手術の違い
眼瞼下垂手術と二重埋没法は、どちらも目元に対して行われる施術ですが、目的・治療対象・手術方法・得られる効果が大きく異なります。眼瞼下垂手術はまぶたを正しく開けるという機能を改善するために行う治療であり、二重手術は目元を魅力的に見せるための美容施術です。見た目だけでなく、まぶたの構造や機能に関わる治療であるため、両者の違いを正しく知ることが大事です。
眼瞼下垂と二重埋没法の手術の目的の違い
眼瞼下垂手術は、まぶたを持ち上げる機能を回復させるための治療です。上まぶたを引き上げる「眼瞼挙筋」や「挙筋腱膜」と呼ばれる組織と瞼板の結合がゆるんだり伸びたりすることで、まぶたが下がってしまう状態を改善することが目的になります。眼瞼下垂は、進行すると視界が狭くなる、目が開きにくい、目が疲れやすくなる、肩こりや首のこり、頭痛など日常生活に不調を起こします。
二重埋没法は二重ラインを作る美容施術です。まぶたの皮膚と瞼板や挙筋を医療用の極細の糸で固定することで二重のラインを作り、目元の印象を整えます。目の開きの機能を改善する手術ではなく、主に見た目の変化を目的として行われる施術です。
二重埋没法の場合は、糸によって二重のラインが形成されますが、まぶたを持ち上げる筋肉の状態は変わりません。そのため、眼瞼下垂がある場合には、二重ラインができてもまぶたの開き自体は十分に改善されないことがあります。
眼瞼下垂と二重埋没法の手術方法の違い
眼瞼下垂手術では、まぶたを持ち上げる上眼瞼挙筋や腱膜を調整します。当院では、ゆるんだ上眼瞼挙筋を瞼板に固定し直す「挙筋腱膜前転術」を行います。この手術では、まぶたを開ける力そのものを回復させるため、目が開きやすくなり、黒目の見える範囲が広がります。
また、「埋没式挙筋短縮法」や当院の「スーパー埋没法」という方法もあります。当院のスーパー埋没法は皮膚を切らずに糸の操作だけで挙筋腱膜を瞼板に引き寄せ固定します。切開を伴わないため目立つ傷が少なく、腫れや赤みも比較的短期間で落ち着きますが、重度の眼瞼下垂には向かない場合があります。ただし、どの施術でも目の開きが改善したとしても、必ずしも理想の二重のラインになるとは限りません。
二重埋没法の場合は、医療用の糸と針でまぶたを内側から留めて二重のラインをつくる方法です。手術時間は短時間で終わり、腫れや内出血などのダウンタイムが比較的少ないという特徴があります。
また、二重切開法はまぶたの皮膚を切開して戻りにくいラインを形成する手術です。まぶたの厚みやたるみが気になる人や半永久的な二重を希望する人、くっきりとした二重を望む人などにおすすめです。
ただし、理想の二重のラインができても、眼瞼下垂の症状がある場合はまぶたを持ち上げる力が改善されないため、眼瞼下垂の症状自体は残ってしまいます。
眼瞼下垂と二重埋没法の費用の違い
眼瞼下垂手術は、まぶたを持ち上げる筋肉や組織の機能低下が原因で、視野に支障が出ていたり、日常生活に不便さが出るなどの「治療目的」であれば健康保険が適用になる場合があります。保険診療として眼瞼下垂手術を受けられると、自己負担の費用は自費診療と比較して大きく抑えられます。
見た目も良くしたいという「美容目的」での眼瞼下垂手術や、二重手術は保険適用外となり自費診療として費用が全額自己負担になります。自費診療の場合、クリニックによって費用が変わります。
眼瞼下垂と二重埋没法の比較
| 眼瞼下垂手術(保険適用) | 二重埋没法 | |
|---|---|---|
| 目的 | まぶたを持ち上げる機能を改善し、目の開きを回復させる治療 | 二重ラインを作り、目元の印象を整える美容施術 |
| 対象 | 眼瞼挙筋や挙筋腱膜のゆるみによって起こる眼瞼下垂 | 一重まぶた・奥二重など見た目を整えたい場合 |
| 改善できる内容 | 目の開き、視野の狭さ、眠そうな目元、おでこや眉間のシワなど | 二重ラインの形成、目元の印象の変化 |
| 手術方法 | 挙筋や腱膜を調整してまぶたの開きを改善する | 医療用の糸でまぶたを固定して二重ラインを作る |
| 切開の有無 | 切開法が一般的(切らない方法もある) | 切開せず、糸で固定する |
| 効果の特徴 | 目の開きが改善し、機能面の回復が期待できる | 二重の形ができ、見た目が変わる |
| 持続性 | 基本的に長期的な改善が期待できる | 糸が外れると元に戻る可能性がある |
| 保険適用 | 視野障害などの症状がある場合は保険適用の可能性あり | 美容目的のため保険適用外 |
| ダウンタイム | 腫れや内出血は2週間程度で引く | 腫れや内出血は1~2週間程度で引く |
二重埋没法とは違う眼瞼下垂の手術の効果
眼瞼下垂手術ではまぶたを上げる筋肉(上眼瞼挙筋)と瞼板のゆるみを調整するため、目の開きが改善されることで視野が広がり、まぶたの重さの軽減、眠そうに見える印象が改善されます。おでこや眉間に力を入れて目を開くクセが改善されるため、おでこや眉間のシワが目立たなくなる効果や頭痛、肩こり、首のこりが軽減する効果が期待できます。
軽度の眼瞼下垂(隠れ眼瞼下垂)で埋没法をする場合
もともと軽度の眼瞼下垂(隠れ眼瞼下垂)がある方は、自覚症状がなくても普段から無意識に眉毛を上げて目を開けている方もいます。眼瞼下垂の自覚症状がないため、気が付かずに埋没法を行ってしまうと、二重のラインはできても、「思ったより目が大きく見えない」「パッチリしない」という結果になることがあります。まぶたを持ち上げる力そのものは変わらないため、黒目の見え方が十分に改善しないことがあります。
眼瞼下垂手術は二重になるのか?
眼瞼下垂の手術は二重整形のように「二重を作ること」を目的にしているわけではありませんが、まぶたの開きを改善する治療の結果として二重の折り目ができるようになります。
眼瞼下垂の手術では、上眼瞼挙筋と瞼板のゆるみを調整してまぶたがしっかり上がるようにします。手術ではまぶたを持ち上げる位置を調整するため、その固定した位置に折り目ができやすくなり、二重のラインが現れることがあります。
糸で固定する方法でも、切開して行う方法でも、処置した部分が折り目の起点となることがあるため、手術後も完全に一重のままというケースは比較的少ないとされています。
できる二重の幅や形は、二重整形のように自由にデザインできるわけではありません。保険適用の眼瞼下垂の手術の場合では、まぶたをしっかり開かせることが目的になるため、固定位置や切開位置は機能改善を基準に決められます。そのため、仕上がりの二重の幅はまぶたの状態や下垂の程度によって変わります。
眼瞼下垂は治したいけれど二重にはしたくない
眼瞼下垂の手術を検討する方の中には、「まぶたの開きは改善したいけれど、見た目はできるだけ変えたくない」と思う人もいます。仕事や周囲の環境の関係で、急に二重になるなど目元の印象が変わることを避けたいと考える方も少なくありません。
眼瞼下垂の手術は二重整形とは目的が異なります。
眼瞼下垂の手術は、開きにくくなったまぶたの筋肉を調整し、まぶたがしっかり開くようにすることに重点を置いた治療です。切らずに糸で固定する方法と、皮膚を切開して行う方法がありますが、いずれの方法においても「二重を作ること」を目的とした手術ではありません。
しかし、眼瞼下垂の手術では、まぶたを持ち上げる筋肉や腱膜を調整することでまぶたの開きが改善します。まぶたをしっかり開かせることを優先して固定位置や切開位置を決めます。まぶたの構造や下垂の程度には個人差があるため、二重のラインができて、目元の印象が大きく変わることもあります。
特に保険適用の眼瞼下垂手術の場合は、あくまで視野の改善やまぶたの機能回復を目的とした治療であり、美容的なデザインの調整は行われません。そのため、二重の幅や形を細かく調整することはできません。
当院の切開を伴わない「切らない眼瞼下垂(スーパー埋没法)」の施術では、糸を用いてまぶたの開きを調整するため、目元の状態や希望に応じて二重の幅をある程度調整することが可能です。見た目の変化をできるだけ自然にしたい場合や、目元の印象を整えながらまぶたの開きを改善したい場合にはスーパー埋没法をお勧めします。
眼瞼下垂と二重埋没法のどちらを選ぶ?
眼瞼下垂手術と二重手術はどちらも目元を変える施術ですが、その目的や治療方法、保険適用の可否、費用やダウンタイムの期間など多くの点で違いがあります。まぶたが重く、開けにくい、眠そうに見える、頭痛・肩こりがある場合は「眼瞼下垂手術」、まぶたの開きは問題なく、単に二重にしたい場合は「二重埋没法」が適しています。
まぶたの状態が気になる時は安易に埋没法を選択してしまう前に、まずはご自分の症状やまぶたの状態、ご希望をしっかり確認して、専門の医師の診断を受けることをおすすめします。
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─ DOCTOR COMMENT ─ドクターコメント
『若い時は奇麗なパッチリ二重だったのに、最近二重の線が無くなってきた』との理由で『埋没手術を受けたけど、何回受けても二重にならない』という方が時々居ます。何故そうなるのでしょうか?
そもそも眼瞼下垂の人は二重手術をしても二重にならない事が多い。その理由は二重になるためには挙筋が働くことが不可欠だからです。挙筋が働いてこそ、はっきりした二重瞼になるのです。一方、眼瞼下垂の手術を受けると奇麗に二重が出来ます。これは眼瞼下垂の手術は挙筋を蘇らせる手術だからです。ですから挙筋の働きを改善させない二重の埋没手術では眼瞼下垂は治りません。逆に切らない眼瞼下垂の手術は眼が開きやすくなった上に、二重瞼も奇麗に出来ることが可能です。