眼瞼下垂になりやすい人の特徴とは?放置で進行する可能性も

目元は「見た目年齢」を大きく左右するパーツです。まぶたの状態で「若々しく見える」「老けて見える」など印象が大きく変わります。その中でも「眼瞼下垂」は、まぶたが下がってきて目が開けにくくなったり、見た目では「眠そう」「疲れているように見える」といった印象につながることもあります

眼瞼下垂になりやすい人の特徴とは?放置で進行する可能性も

眼瞼下垂とは、まぶたを持ち上げる筋肉(上眼瞼挙筋)と瞼板の結合部分が緩み、上まぶたが下がってきて目を開けにくくなる状態を言います。
まぶたを持ち上げる筋肉の働きが弱くなることで、視界が狭く感じたり、まぶたを重く感じたりします。眠たそうに見えたり、老けて見えたり、見た目の印象も変わってきます。見た目だけでなく、目を開けようとしておでこや眉毛の筋肉を使うために疲れやすくなり、眉間やおでこにシワができたり、肩こりや頭痛の要因になることもあります。

眼瞼下垂の主な原因は、加齢による上まぶたを引き上げる「上眼瞼挙筋」の先端にある筋肉(挙筋腱膜)と瞼板の結合部分の緩みや機能低下です。その要因となるリスクには、ハードコンタクトの長期使用、慢性的な目こすり(アトピー・花粉症)、長時間のスマホ・パソコン作業、まぶたに負担がかかるメイクなどがあります。

眼瞼下垂は、年齢を重ねるにつれてまぶたを持ち上げる筋力が弱くなり、腱膜がゆるみやすくなることから、特に40代以降の男女に多く見られます。
さらに、ハードコンタクトレンズを長く使っている方や、花粉症・アトピーなどで無意識に目をこする習慣がある方は、まぶたに負担がかかりやすい傾向があります。スマホやパソコンを長時間見続ける生活も、まぶたへの刺激や摩擦の要因となり、眼瞼下垂のリスクを高める一因になる可能性があります。

まぶたを持ち上げる役割を担う「眼瞼挙筋」は、加齢の影響を受けることで変化が生じやすくなります。
筋肉そのものの衰えというよりも、加齢によって上まぶたを引き上げる「上眼瞼挙筋」の先端にある挙筋腱膜と、まぶたの土台となる瞼板との結合部分の緩みや機能の低下が主な原因です。結合部の機能が低下し、筋肉の力がうまく伝わらなくなり、まぶたを十分に持ち上げられなくなることで眼瞼下垂が生じます。40代以降では、腱膜の組織が薄く、脆く、伸びやすくなるため、年齢を重ねるにつれて眼瞼下垂は起こりやすくなる傾向があります。
また、長時間にわたるスマホやパソコン作業、目を細めて画面や文字を見る習慣は、眼瞼挙筋に負担をかけ続けるため、筋力低下をさらに助長してしまう可能性があります。加齢による変化に生活習慣による負担が重なることは、眼瞼下垂のリスクが高まる一因です。

眼瞼下垂は、生活習慣や加齢による変化だけでなく、遺伝的な要因や生まれ持った身体的特徴が関係して起こりやすくなる場合があります。先天的にまぶたと挙筋腱膜の結合部分が緩みやすい体質であったり、まぶたを支える筋肉である眼瞼挙筋の力が弱い傾向があったりすると、若い年代でも眼瞼下垂を発症しやすいと考えられています。また、家族の中に眼瞼下垂を経験した人がいる場合には、体質や目元の構造が似ていることから、なりやすさが受け継がれている可能性があります。こうした先天的な要因による眼瞼下垂は、子どもの頃からまぶたが下がりやすい状態として現れることもあれば、症状が軽いために気づかれず、大人になってから徐々に進行して目立ってくることもあります。
本人にとっては長年見慣れた目元であるため、眼瞼下垂として自覚しにくいケースも多く「疲れやすい目」「眠そうに見える目」として思われることがあります。

長時間のスマホやパソコン作業は、目を酷使する生活習慣のひとつです。画面を見続けることでまばたきの回数が減り、目を開けた状態を保つためにまぶたの筋肉に過度に緊張がかかり続けます。これがまぶたを持ち上げる筋力を疲弊させて、疲労を蓄積させる原因になります。疲労の蓄積によって眼瞼挙筋の働きが弱まり、眼瞼下垂の発症リスクが高まると考えられています。

アイプチやアイテープの使用は、まぶたの皮膚を引っ張った状態を長時間続けることになって、腱膜や皮膚への負担につながります。コンタクトレンズの長期装着、とくにハードコンタクトレンズは、装着や取り外しの際にまぶたを引き上げる動作が繰り返されるため、まぶたに影響を与える可能性があります。濃いアイメイクを落とす際のクレンジングや、まつ毛エクステの装着によるまぶたへの重みや刺激も、目元への負担を増やす要因です。これらの刺激が長年続くことによって、まぶたを持ち上げる筋肉が弱まり、眼瞼下垂を引き起こすリスクが高まることがあります。

眼瞼下垂の発症要因については、国内外の医学論文や専門学会において複数の報告があります。とくに「加齢」「コンタクトレンズの長期使用」「慢性的な摩擦刺激」などが関連因子として挙げられています。

Hard contact lens wear and the risk of acquired blepharoptosis: a case-control study

ハードコンタクトレンズの着用と後天性眼瞼下垂のリスク:ケースコントロール研究/論文引用

引用:https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/23826433/
著者:Kitazawa T
所属:岐阜県松波総合病院形成外科

本研究では、日本国内の病院で行われた症例対照研究(Kitazawaら, 2013)によると、ハードコンタクトレンズを使用している人は、使用していない人に比べて眼瞼下垂の発症リスクが約20倍高いという結果が報告されています。研究対象となった眼瞼下垂患者の約9割にハードコンタクトレンズの使用歴が認められました。

眼瞼下垂と似た症状に眼瞼皮膚弛緩症があります。まぶたの皮膚がたるんでしまい、まぶたが覆いかぶさるように見える状態ですが、まぶたを上げる筋肉の力には問題なく皮膚のたるみが視界を妨げている状態です。
眼瞼皮膚弛緩の主な原因は、加齢や紫外線による皮膚の弾力性の低下です。加齢や紫外線により、皮膚のハリや支えとなるコラーゲンやエラスチンといった組織が徐々に減少し、まぶたの皮膚がたるみやすくなります。目元の皮膚は薄くデリケートなため、こうした変化の影響を受けやすい部位です。また喫煙などの外的要因も、皮膚の老化を進める要素のひとつです。これらの影響が重なることで、実年齢よりも早くまぶたのたるみが目立つ場合があります。

眼瞼下垂は進行の度合いによって、軽いものから重いものまであります。最初は「あれ、なんだか目が開けにくいかも」「夕方になると目が開けにくくなる」と感じる程度でも、徐々に視界が狭くなる、上が見えにくい、眉毛を上げて目を開けようとするクセがついてしまう、まぶたが重く感じるといった自覚症状が強くなっていきます。周りの人から「眠そうに見えるね」「疲れているの?」と指摘されるようになる場合もあります。肩こりや頭痛が目の疲れからきていることもあるため、思い当たる症状が続く場合はチェックしてみましょう。

病院やクリニックの受診を考える前に、自宅でできる眼瞼下垂の簡単なセルフチェックがあります。
鏡を正面から見て、黒目の見え方を確認して、まぶたが覆っていないかをチェックしましょう。また、目を軽く閉じた状態で、両眉を親指と人差し指で押さえ、眉が上がらないようにしたまま目を開けてみたときに、目が開きにくい、まぶたが重く感じるなどもチェックしましょう。
ただし、セルフチェックはあくまで目安であり、正確な診断を行うものではありません。見た目の変化や視界の違和感、目の疲れやすさが気になる場合には、自己判断せず、専門の医師に詳しい診察を受けることが大切です。当院では患者様の症状を丁寧に伺い、視界の狭さ、まぶたの動き、左右差などを丁寧に診断します。

眼瞼下垂は、まぶたを上げる筋肉(眼瞼挙筋)が原因のため、自力で根本的に治すことはできません。
まぶたを上げる筋肉の眼瞼挙筋は、薄い膜のような形をした繊細な筋肉です。トレーニングやストレッチで筋肉を太くしたり、鍛えたりすることが難しい構造です。さらに、眼瞼挙筋は「瞼板」についていますが、このつなぎ目はもともと非常に繊細で、強い負荷に耐える構造ではありません。仮に眼瞼挙筋の力を保てたとしても、筋肉と瞼板の結合部分そのものを強化することはできません。
ただし、眼瞼下垂の予防として目への過度な負担を避けることは大事です。長時間のスマホやパソコンの作業では定期的にまばたきを意識し、適度に休憩を取る、目元のストレッチを行う、コンタクトの装着時間に気を付けるなどがおすすめです。
強い力でのマッサージやトレーニングは、悪化させる可能性もあるため注意が必要です。

眼瞼下垂は、セルフケアや自己流の対策だけで十分な改善を期待することが難しい症状です。原因を正しく見極めたうえで、医療的な治療、手術によって改善を目指すことをお勧めします。
眼瞼下垂の手術には、保険診療と自費診療という二つの選択肢があります。どちらを選択するかは、症状の程度やまぶたの状態、そしてご本人が何を重視したいかによって変わってきます。眼瞼下垂の保険診療は、あくまでまぶたの機能回復を目的とした治療であるため、美容的で見た目を整えるための追加的な修正を行うことはできません。一方で、症状の改善に加えて、目元の印象や仕上がりにもこだわりたいと考える方には、自費診療による眼瞼下垂の手術という選択肢があります。自費診療では、機能面の改善を図りながら、目の形や左右差など、より細やかな見た目の調整が可能です。
眼瞼下垂の治療は一人ひとりの状態や希望によって最適な方法が異なるため、当院では患者様と十分に相談したうえで、ご要望に合った治療をご提案いたします。

─ DOCTOR COMMENT ─

立花院長

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